先日、公私ともに親しくさせていただいている友人と一緒に、伊勢神宮へお礼参りに行ってきました。
今回は1泊2日の行程で、伊勢神宮内宮での特別夜間参拝、翌朝の内宮神楽殿での御神楽、そして正宮での参拝という、とても貴重な時間を過ごさせていただきました。
普段、整体師として多くの方の身体に向き合っていますが、今回の伊勢参りでは、あらためて「人を整える仕事に携わる者として、どのような心持ちで日々を過ごすべきか」を考える機会になりました。
一般の参拝では味わえない、夜の内宮での貴重な時間
今回、特に印象に残っているのが、夜に行われた伊勢神宮内宮での特別夜間参拝です。
夜の内宮は、昼間とはまったく違う空気に包まれていました。
昼間の内宮は、多くの参拝者でにぎわい、清々しさや明るさを感じる場所ですが、夜の内宮は、静けさと神秘性が際立っていました。
宇治橋を渡り、玉砂利を踏みしめながら正宮へ向かう時間は、自然と背筋が伸びるような感覚でした。
周囲には多くの参加者がいましたが、不思議と騒がしさはなく、皆さんが静かに神域に入らせていただいているという雰囲気がありました。
写真や動画の撮影もできないため、スマホを構えることもなく、ただその場の空気を自分の目と心で受け取る時間になりました。
今は何でも写真や動画に残せる時代です。
しかし、写真に残せないからこそ、心に深く残るものがあるのだと感じました。
正宮で400名ほどの方々と唱えた「ありがとうございます」
夜の内宮での参拝では、正宮の前で参加者全員が一斉に「ありがとうございます」と唱えました。
私の感覚では、400名ほどの方が参加されていたように思います。
その多くの方々が、夜の正宮で一斉に「ありがとうございます」と唱える時間は、言葉では表現しきれないほど神秘的でした。
最初は、周りの方々と声を合わせるような気持ちでした。
しかし、何度も何度も「ありがとうございます」と唱えているうちに、だんだん自分の内側の感覚が変わっていきました。
普段、私たちは「ありがとう」という言葉を何気なく使っています。
お客様へ、家族へ、友人へ、仕事で関わる方々へ。
日常の中で自然に使う言葉です。
しかし、あの夜の「ありがとうございます」は、誰か特定の人に向けたものではなく、もっと大きなものに対する感謝のように感じました。
今まで生かされてきたこと。
整体の仕事を続けてこられたこと。
多くのお客様や受講生の方々に支えていただいていること。
家族や友人がいてくれること。
そして、自分が今この場所に立たせていただいていること。
そうした一つひとつのことに対する感謝が、心の奥から自然に湧いてくるような感覚でした。
整体師にとって大切なのは、技術だけではない
整体師にとって、技術を磨くことはとても大切です。
身体の見方、触れ方、検査、施術の組み立て方、説明の仕方。
どれも日々学び続ける必要があります。
しかし、今回の伊勢参りを通じてあらためて感じたのは、整体師にとって本当に大切なのは、技術だけではないということです。
目の前の方の身体に向き合う時、こちらの心の状態は必ず相手に伝わります。
焦っている時。
自分本位になっている時。
結果を急ぎすぎている時。
そのような状態では、どれだけ技術があっても、相手に安心感は伝わりにくいものです。
反対に、感謝の気持ちを持ち、謙虚に相手の身体と向き合うことができれば、施術の場の空気は自然と変わります。
整体は、ただ身体を動かしたり、関節や筋肉にアプローチしたりするだけの仕事ではありません。
その方が自分の身体に安心して向き合えるように、寄り添う仕事でもあります。
だからこそ、技術と同じくらい、整体師自身の在り方が大切なのだと思います。
翌朝の御神楽で感じた、この世のものとは思えない空間
翌朝は、内宮神楽殿で御神楽に参加させていただきました。
前日の夜間参拝が、静寂と神秘の時間だったとすれば、翌朝の御神楽は、清らかさと厳かさに満ちた時間でした。
神楽殿に入り、御神楽が始まると、雅楽の音色が静かに響き、舞が奉納されます。
その音、動き、間、空気。
すべてが一体となり、まさに神様がそこにいらっしゃるかのような、この世のものとは思えない不思議な空間でした。
ただ座っているだけなのに、自然と呼吸が深くなり、心のざわつきが静かになっていくようでした。
普段、整体の現場でも、身体が緩む瞬間、呼吸が変わる瞬間、表情が穏やかになる瞬間に立ち会うことがあります。
そのたびに、身体と心はつながっているのだと感じます。
御神楽の時間も、まさに心と身体の奥が静かに整っていくような感覚がありました。
御帳の奥からの参拝で感じた感謝
御神楽の後は、正宮へ移動し、通常の参拝とは違う形で、御帳の奥、より近い場所から天照大御神様に参拝させていただきました。
正宮に向かう道のりでは、自然と気持ちが引き締まりました。
内宮の正宮は、言葉で説明しようとするよりも、ただその場に立つことで感じる場所だと思います。
長い歴史の中で、多くの人々が感謝を捧げ、祈りを捧げてきた場所。
その積み重ねのようなものを、肌で感じるようでした。
その時、自分の中から出てきた言葉は、やはり「ありがとうございます」でした。
お願いごとをするというより、まずは感謝でした。
整体院を開業してから、たくさんのお客様に支えていただいていること。
整体スクールを通じて、多くの受講生の方々とご縁をいただいていること。
協会として、整体を学ぶ方々や現場で頑張る先生方と関わらせていただいていること。
当たり前のように思っている毎日は、決して当たり前ではない。
そのことを、あらためて感じました。
友人と語り合った、楽しく温かい時間
夜間参拝の後は、予定されていた夜のお茶会には参加せず、友人とホテルの近くの居酒屋へ行きました。
神聖な時間を過ごした後だったこともあり、自然と会話も深いものになりました。
仕事のこと、これからのこと、人生のこと、家族のこと。
普段なかなかゆっくり話せないようなことまで、いろいろと語り合うことができました。
伊勢神宮で感じた厳かな時間とはまた違い、気心の知れた友人と過ごす居酒屋での時間は、とても楽しく、温かいものでした。
こうして一緒に語り合える友人がいることも、本当にありがたいことです。
旅は、どこへ行くかも大切ですが、誰と行くかも大切だと感じました。
おかげ横丁で味わった赤福の抹茶かき氷
参拝の後には、友人おすすめのおかげ横丁にも立ち寄りました。
そこでいただいた赤福の抹茶かき氷が、本当に絶品でした。
伊勢神宮で心が清められた後に、おかげ横丁で味わう甘味。
これもまた、伊勢参りの楽しみのひとつです。
抹茶のほどよい苦味と、赤福の甘さがちょうどよく、たくさん歩いた後の身体に染み渡るようでした。
神聖な時間と、日常の楽しみ。
厳かな参拝と、友人との楽しい会話。
御神楽の不思議な空間と、おかげ横丁のにぎわい。
この両方があるからこそ、伊勢参りは心に残るのだと思います。
整体師として、協会として、大切にしたいこと
今回の伊勢参りを通じて、私自身、整体師として、そして協会として大切にしたいことをあらためて感じました。
それは、技術を伝えるだけでなく、整体師としての在り方も大切にするということです。
整体の技術は、形だけを覚えればよいものではありません。
どのように身体を見るのか。
どのように相手に触れるのか。
どのように説明し、安心していただくのか。
そして、どのような心持ちで目の前の方と向き合うのか。
これらすべてが、整体師としての力につながっていきます。
施術を受ける方は、技術だけを受け取っているわけではありません。
その先生の姿勢、言葉、空気感、誠実さも感じ取っています。
だからこそ、整体師自身が感謝の気持ちを忘れず、謙虚に学び続けることが大切だと思います。
感謝の心を、日々の施術と学びの中へ
今回、夜の内宮で唱えた「ありがとうございます」という言葉は、今も心に残っています。
感謝は、頭で無理に考えるものではなく、心の奥から自然に湧いてくるものなのだと感じました。
そして、その感謝の気持ちは、日々の施術や講座の中でも大切にしていきたいものです。
お客様が来てくださること。
受講生の方が学びに来てくださること。
仲間と一緒に学び合えること。
健康で仕事ができること。
一つひとつは当たり前のように見えて、決して当たり前ではありません。
今回の伊勢参りは、そのことを思い出させてくれる貴重な時間でした。
これからも、整体を通じて人の身体に向き合う者として、技術を磨くだけでなく、感謝の心と謙虚な姿勢を大切にしていきたいと思います。
そして協会としても、整体を学ぶ方々が、技術だけでなく、人として、施術者として成長できる場をつくっていきたいと考えています。
伊勢神宮のお礼参りで感じた、整体師としての在り方と感謝の心。
この体験を、これからの日々の施術、講座、協会活動に活かしていきたいと思います。
今回のご縁に、心から感謝いたします。
ありがとうございます。
